シンデレラボーイ

左・アニメ版シンデレラボーイ/DVD小冊子より         右・原作シンデレラボーイ(ポップコーン版)扉絵より

2003年にアニメ化、2005年にパチンコ化され、モンキー・パンチ作品としては、ルパン三世に次ぐ認知度となった、シンデレラボーイ。
夜中の0時に、男女が入れ替わるという、面白い設定の作品です。
探索隊ではアニメ作品を拝見し、思いのほか楽しめる作品となっていたので、公式ページで紹介されていない部分をカバーするようなページを作成することにしました。
原作を中心に、DVDやパチンコ機の説明も添え、マニアックに、探索隊らしい紹介をしていこうと思います。

ここで、MPマニア以外の方にちょっと一言。
男が女のキャラに変わる、乱馬というキャラクター…というと、高橋留美子先生のらんま1/2を思い描く方が多いと思いますが、
シンデレラボーイの原作は1980年に光文社「ポップコーン」誌で発表されたもので、高橋留美子先生のらんま1/2の連載開始が1987年という事実でわかる通り、
このアイデアのコミック化はモンキー・パンチ先生の方が先だった、と言えます。アニメとして一般に浸透したのは「らんま1/2」に間違いありませんが、
つまりは、どちらが先だ、というような話ではなく、「シンデレラボーイは、らんま1/2の真似だ」というような発想はしないで欲しい、と、それだけのことであります。

原作 シンデレラボーイ(ポップコーン版)

シンデレラボーイは、1980年「ポップコーン」創刊号(光文社 刊)に掲載された。

このポップコーンという雑誌は、日本漫画とアメコミの融合を目指した面白い雑誌で、
右から開くと日本漫画、左から開くとアメコミという、リバーシブル??な誌面が特徴となっている。
ちなみにこの「シンデレラボーイ」、左開きで読む”アメコミ側”に掲載されているもの、面白い。
全12ページのうち、最初の5ページは3色カラーで掲載されている。

ポップコーン自体は3〜5号くらいまで発行されたと記憶しているが、シンデレラボーイが掲載されたのは、この創刊号のみである。

内容は、乱馬ボーイが謎の組織に追われながら、午前0時をむかえ、レラ・シンディに変身しつつ、追撃を逃れるというもので、
設定的には
乱馬ボーイとレラ・シンディがちっぽけな探偵事務所を二人で開業していたこと、
巨大な組織の秘密を握り、事故死という名で消されてしまったこと、
最も進んだ医学で、二人の遺体の使える部分をつなぎあわせ、一人の人間につくり変えられたこと、
その手術により、すべての能力は”金メダル選手の3.333…倍”にパワーアップされたこと、
1日24時間のうち、12時間しか乱馬ボーイ(またはレラ・シンディ)でしかいられないこと、などが描かれている。
手術を誰が行ったのか、などは描かれていない。
他には、
レラが、12時間後に男の体に変わることを極端に嫌がっていることがうかがえる台詞があるのが特徴か。(後に紹介する、ANIME DO版とのレラの性格の違いを比較する上で)

ビジュアル的な面で一点。扉絵ではレラは金髪?だが、本編中では黒髪である。

ちなみに、アニメ版シンデレラボーイの第2話中の予告編で映されているコミックは、このポップコーン版の3ページ目と4ページ目になる。

原作 シンデレラボーイ(ANIME DO版)

シンデレラボーイは、2つのコミックが存在する。
2つ目になるのが、このANIME DO版だ。
1982年に発売されたANIME DO創刊号(ANIME DO編集部 刊)で、2年ぶりにシンデレラボーイが復活した。
表紙・裏表紙がモンキー・パンチ先生によるもので、MPマニアにとってのコレクション性は高い。
裏表紙は、ポップコーン版シンデレラボーイの扉絵と同一のものが使用されている。
(後に「らんま1/2」で知られる高橋留美子先生のロングインタビューが掲載されているのも、チョット面白い)

今回のシンデレラボーイは、6ページと短いが、サイズがB4判と、ワイドサイズになっている。

さて、ANIME DO版の内容だが、
交通事故の夢で目覚めた乱馬ボーイは、いつの間にか捕われの身になっていた。その乱馬ボーイが、突如レラに変身した。
手術を行ったDr.モロトフは、予想外の事態に愕然とする。モロトフは”欠陥品”を始末しようとするが、レラは研究所を逃げ出す。
「もうワシ達の手にはおえん…あとは当局の手であやつを破壊してもらう」 乱馬ボーイとレラの逃亡生活がはじまった…。
と、いうもの。

ANIME DO版、独自の設定は、
乱馬ボーイは、探偵だということ(レラと二人で…という設定は存在しない)、
交通事故が原因で(組織などの存在は明らかでない)二人は死亡、
二人の体の使える部分をつなぎ合わせて、普通の人間の10倍の能力を備える手術を行ったこと、
その交通事故の半年後に乱馬(レラ)は目覚めたということ、
変身現象は、偶然の産物だったということ、
変身は24時間ごとに行われるということ(ポップコーン版は12時間)、
乱馬とレラは、自分が変身する事実をまだ知らないということ、
乱馬とレラを手術したのは、Dr.モロトフという科学者で、その助手はレラに好意を抱いていること、
レラは、「アタシは乱馬ボーイのものよッ!!」というほど、乱馬のことを愛しているということ、
などが挙げられる。

なお、ビジュアル的な点では、乱馬ボーイの髪型が、ポップコーン版の時と比べて短くなっている。(レラはポップコーン版と同様に黒髪)
レラの名前も、ポップコーン版では「レラ・シンディ」だが、ANIME DO版では「レラ」としか表記されていない。


アニメ版 シンデレラボーイ
モンキーパンチ原作のTVアニメシリーズ。ルパン三世、緊急発進セイバーキッズ、おまかせスクラッパーズに続く第四弾ともいえる。

2003年、WOWWOWで放送。全13話。アニメ制作は、マジックバス。
主要STAFF … 監督/冨永恒雄 シリーズ構成・脚本/土屋理敬 
           キャラクターデザイン/小林利充 メカニックデザイン/うみこなみ 美術監督/高橋麻穂 音楽/谷川賢作
主要CAST  … 雛祭乱馬/子安武人 レラ・シンディ・白雪/冬馬由美 
           孫大人/茶風林 アリス/井上喜久子 アラミス/高木渉 ドロシー小津/堀絢子 ピノキオ/園部啓一 Dr.グリム/肝付兼太

原作との共通点・相違点
まず、キャラクターの名前が若干変更になった。乱馬ボーイは、雛祭乱馬に、レラ・シンディはレラ・シンディ・白雪に、アニメ版オリジナルの苗字がつくようになった。
基本的には、ポップコーン版の設定(二人で探偵事務所、レラが乱馬にラブラブでない)をアニメ化しているが、24時間ごとに入れ替わるという設定は、ANIME DO版のものである。
原作にあった、パワーアップ(人間の能力の10倍…など)の設定は、アニメでは排除された。
改造手術?を行ったのが、Dr.モロトフからDr.グリムに変更され、変身は偶然ではなく、意図的なものだったことになった。
ビジュアル的な面では、乱馬の髪型はANIME DO版が近く、原作で黒髪だったレラは、金髪になった。
アニメ版第1話の、乱馬が炎に包まれ、裸で飛び出し、時計台(ビル)から全裸で落下しレラに変身するというくだりは、ポップコーン版の原作に忠実である。
 
アニメと原作、唯一とも言っていい、同一シーン

Typerによる感想(解説)
”設定のみしかない原作”をうまく活かしたTVシリーズ。ルパン三世と似て非なる作品に仕上がっていると感じました。
キャラクターデザインは、原作よりも「ルパン」っぽくなってしまい少し残念だが(乱馬)、
他のオリジナルキャラクターは、(女の子を除き)モンキー先生の作品らしいキャラクターに仕上がっており、好感が持てる。
24時間のキャラクターチェンジという設定を活かしたシナリオ作りは、見ていて本当に楽しめました。
谷川賢作氏の音楽も、ルパン三世とは違ったJAZZで洒落たものになっており、とても良いと思います。
あと、各話のタイトルやオリジナルキャラの名前の、どこかしらに おとぎ話 なキーワードを入れているのも面白いですね。無理矢理なとこもありますが(笑)
手放しに褒めているようですが、実は放送時は全然興味がなく、期待もしていなかったので(笑)予想外の出来のよさにビックリしているところです。
出来の良い佳作、という評価に落ち着くと思いますので、未見の方はとりあえずレンタル等で見てみてはいかがでしょう?DVDは、ちょっと高いですしね。(私も中古で購入です・(笑))

アニメ版 シンデレラボーイ公式ページ


ディスコグラフィー

サウンドトラックCD
CINDERELLA BOY original sound track

LASTRUMより、2003年9月24日発売。2310円(税込)
OPテーマ曲(TVサイズ)、EDテーマ曲、OPテーマ(CLUB MIX)、
BGMが6曲、子安武人と冬馬由美のダイアローグが収録されている。

ジャケットはセル画の特別仕様となっており、広げると
乱馬、レラ、ロンドンタクシーが別々に描かれていて、面白い。


谷川賢作氏のBGMが、しゃれた一枚。

いろんな意味で入手困難になりそうなCDなので、
興味のある方は早めに入手しておくといいだろう。













DVD・ビデオ
DVDは、株式会社エー・ティー・エックスより発売されている。(販売元・パンド株式会社)
ビデオ版も存在するが(販売元・アルバトロス株式会社)こちらはレンタル専用となっている。
DVDには、キャラクターや美術設定などが満載?の小冊子付きなので、MPマニアはコレクションに加えていいだろう。
1巻の小冊子はフルカラーで、かなり良いが、2巻以降は白黒なのが残念だ。
特典映像も、2巻目以降はDVDのみの収録となっている。


シンデレラボーイ VOL.1

定価5040円(税込)

第1話
「眠らぬ街の寓話」


映像特典
モンキー・パンチ ロングインタビュー
製作発表会
制作スタジオ取材&冨永恒雄監督インタビュー
アフレコ&声優陣インタビュー
DVD&ビデオ プロモーション映像1









シンデレラボーイ VOL.2

定価6090円(税込)

第2話
「路地裏の妖精」

第3話
「オモチャの国の甘い罠」

特典映像
ノンクレジットOP(海外版)
ノンクレジットED

※海外版は、レラのヌードに修正が入り、乱馬が煙草をポイ捨てするシーンをカット









シンデレラボーイ VOL.3

定価6090円(税込)

第4話
「美女と野獣のあそぶ海」

第5話
「時計仕掛けの毒リンゴ」

特典映像
プロモーション映像 製作発表会 ver.
プロモーション映像 AT−Xスポット ver.
プロモーション映像 Club AT-X ver.










シンデレラボーイ VOL.4

定価6090円(税込)

第6話
「子ブタの兄弟の料理法」

第7話
「昔々、ゴミだらけの街で」

特典映像
番組宣伝スポット 放送前ver.
番組宣伝スポット 放送後ver.











シンデレラボーイ VOL.5

定価6090円(税込)

第8話
「黄金の国のエンジェル」

第9話
「殺しの天使に花束を」

特典映像
DVD&ビデオ プロモーション映像2,3
DVD&ビデオ プロモーション映像4,5










シンデレラボーイ VOL.6

定価6090円(税込)

第10話
「ウソつき赤ずきんとホントの狼」

第11話
「行方不明の魔法使い」

特典映像
モンキーパンチ インタビュー

シンデレラボーイ VOL.7

定価6090円(税込)

第12話
「青い鳥は誰の手に?」

第13話
「シンデレラは眠らない」

特典映像
DVD&ビデオ プロモーション映像6,7



パチンコ CRシンデレラボーイ
2005年、タイヨーエレックより発売。
アニメ版・シンデレラボーイを、かなり忠実にパチンコ化。声優もアニメ版と同じ。
大当たり中には、ドミノ88によるOPテーマ曲「CINDERELLA BOY MainTheme」が流れる。

もともとのTVシリーズが13話しかないということもあり、
各予告・リーチ演出は、アニメにあったシーンや、ゲストキャラクターが、
まさにTV版シンデレラボーイの総集編といわんばかりに総登場する。

パチンコ機自体の解説といこう。
CRシンデレラボーイは、スペック違いのTX、SGX、HX、SFX、DXの5機種が存在する。
乱馬とレラのみのセル盤面は、TX、SFX、DX。
アリスとアラミスを加えた4人のセル盤面は、SGX、HXとなっている。
最も普及されたと思われるのは、
流行の突然確変機能「シンデレラ・チャンス」を搭載したTXだろう。
(Typerも、実機コレクションにはTXを選びました)
液晶右側にある2枚のカードの役物が、大当たり・確変の演出の重要な役割を果たしており、
通常時はカードの動きがステップアップ予告となり、
単発大当たり時は、当たり直後と最終ラウンドでカードが表を向けば確変になるなど、多くの打ち手を興奮させた。

通常時は、乱馬とレラの二人のモードがあり、ランダムで入れ替わる。
各モード、乱馬とレラではBGMが変化したり、
予告演出のキャラが異なったり(乱馬ならアリス・ピノキオに、レラならアラミスなど関連のあるキャラになる)、
ビデオメッセージが乱馬の場合はレラが、レラの場合は乱馬になるなど、
なかなか原作アニメに忠実で、凝っている。

カーチェイスリーチは第6話、突入リーチは最終話がモチーフとなっており、
細かいところは違うが、かなりアニメに忠実な演出になっていて、面白い。

全体的に、なかなか良い出来だとは思うのだが、通常時の演出が非常に単調でイライラ感がある。
パチンコは、当たらない時間の方が基本的に多いのだから、もう少し練りこんで欲しかった。ファンとしてはとても惜しい。

CRシンデレラボーイ公式ページ

いかがだったでしょうか?各公式ページとは違った、探索隊的なシンデレラボーイ紹介ページになったと思います。
私自身、原作はもちろん、アニメ版シンデレラボーイは、かなり気に入っているので、このページで興味を持ってくれる方が増えることを望みます。

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