ルパン三世PART3企画書
(竹書房・東京ムービー大図鑑 より抜粋)

PART3を企画として立ち上げる際に書かれたものです。
よって、実際の作品と内容的に一致するところを探すのは意味のない事かもしれません。
あくまで資料としてお楽しみ下さい。


その後の、ルパン三世は!?
噂によると、グレース王妃の告別式にヒョッコリと顔を出したとか。いや、ニューヨーク・シティ・マラソンに出場していたとか。
諸説粉々。今もって全国津々浦々のルパン・ファンを欺き続けている。わが事成れり。これでいいのだ!
ルパンは嵐でなければならぬ。突風。五月の嵐だ。
突然、現れなければルパンではない。自我にめざめた少年少女たちに、この世の森羅万象を笑い飛ばして見せねばならぬ。
テレビに現れたら最後、時を超え、場所を超え、世界中を飛び廻る、ルパンの盗みの手口は芸術の高みにまで到達していなければならぬ。
人生をゲームのように華麗にこなしているニクイ奴!
ルパンは永遠の謎でいい!どこにいるか?誰も知らない。あの不二子でさえも。

その後の、峰不二子は!?
さて、去年の大ディスコ・サウンド。全米No.1シングル。16週ビル・ボードNo.1.オリビア・ニュートン・ジョン「フィジカル」であった。
時代に乗りに乗ることにかけては、天才の峰不二子は、その豊満な裸体をレオタードに包んで稼ぎまくっていた。
「フジカル」、これぞまさしく、不二子が発明した新しいジャズ・ダンス。ヌード・スタジオ顔負けの悩ましさ。
そんな訳で。生徒は、物好きな男ばかりという有様。不二子のフジカル・スタジオは、ニューヨーク・パリ・ロンドン・ミラノ・アムステルダム、笑いがとまらぬほどの儲かりよう。
そこに電話がかかってきた。不二子が電話を取れば、あの聞きなれたルパンの声。
「にはは、ふーじこチャン、お元気?」てな訳で、不二子はルパンの復活に胸をときめかす。
ミニのドレスにシャネルの5番を愛用。そのスカートの下のストッキングにはブローニングを隠し持つ。
マシンガン操作もお手のもの。車からヘリコプターまで、メカには強い。
女であることを利用した仕事ぶりは徹底的。またも不二子はルパンを裏切るのだ!

その後の、次元大介は!?
愛用のマグナムM27をニコンにかえ、彼は報道カメラマンとして、戦場を駈け廻っていた。
イラン・イラク戦争。イスラエル・パレスチナ紛争アフガニスタン。中米の火薬庫エルサルバドル。
硝煙の中で、ルパンの事など忘れてしまったような生活だ。だが、戦場に届けられた新聞で、ルパン復活を知った。
次元大介、なにごともワクをふみさずさないクールな男。
しかしひとたび、ルパンの危機を知ると、時をうつさず、行動にうつる有能な相棒。
ルパンと反対に、女にはまったく興味を示さず、そのため”女ぎらい”と言われている。
0.2秒のガン・プレイは超一流。泣きどころは足の水虫。
次元は愛用のマグナムをぶらさげ、かならずルパンの前に現れる!

その後の、石川五右エ門は!?
彼はカナダにいた。
鏡のような水面に氷河を擁した岩峰を映す山上湖、澄みわたった水底を魚影が走る −、レイク・ルィーズ。
ジャスパーから27マイル離れたロッキー山中で、五右エ門は修行していた。
生まれながらのヴェジタリアン(菜食主義者)の彼は、マウンテン・インデアンたちに神のように慕われていたのだ。
伊賀上野で忍法の修行をつんだ五右エ門が、なぜ泥棒稼業に身をおくようになったか。
それは、極限状況に身をおきたい、という個人的、かつ根本的欲求のためである。そのためには、ルパンを敵にまわすことさえある。
しかし彼は、卑劣と妥協をもっとも嫌う。その心情が、ルパンと固く結びついている。
五右エ門の愛刀、斬鉄剣に、くもりが生じると、不吉なことが起きる。
その斬鉄剣が、ルパン復活の危機を察知した!野を駈け、山を越え、ひた走る五右エ門!それを追うインデアン娘!

その後の追っかけマン、銭形幸一警部は!?
ICPO(国際刑事警察機構)、ルパン捜査課の警部であった彼は、忽然と消えたルパンのために、今や閑職、窓きわ族の肩たたき。
退職後のことも考え、パリはオペラ座のほど近く、「ニッポン」と称するラーメン屋で、泣く泣くラーメン屋になるべく、こっそりと修行の丼洗いなどしていた。
「うにゃろーッ!!現われよ!ルパンめ!タイホしてやるーッ!!」
月に吠え!星に吠え!パリの夜に吠え!むせびなく日々の銭形!
その鼻ッつらを、ルパンの愛車アルファ・ロメオが疾風のように走りつけた!
なんと運転席には、あのモンキーづらのルパンがいるではないか。
銭形幸一警部は、スックと立った!ルパン逮捕こそ、自分の生きがい。シラケを知らぬ、ホットな情熱を傾けて、また銭形はルパンを追う!が…。

ルパン三世・PART3 −その世界ー
ー ますます奇想天外に、もっともっと抱腹絶倒になります。ー

続々と出番を待つ個性あるニュー・チャレンジャーたち、
この番組の魅力ーそれはもちろんルパン三世にあります。
ですが、彼に挑戦してくる様々な悪党・警察・富豪・妖しい女、エキセントリックなコレクターなど個性的なキャラクターたちが、どのようにチャレンジしてくるのか、そこでどんな事件やら、犯罪やらが展開され、ルパンをこらしめるのか!?
このドラマティックなシチュエイションをつくってくれるのが、やはりアクの強いチャレンジャーといえます。彼等が強敵であればあるほど、ルパンは燃えるわけです。
いまや遅しと、ニューチャレンジャーたちは頭脳をクルクルと回転させながら、満を持して機会のくるのを待っているはずです。
そこで一言 −
「ルパンのじいさん、と対決した実績もあるのだぞ」−かの明智探偵
かつての名探偵も、今はもう年、でも、老いてもまだまだサカンだ、さてその年輪からの迷推理はいかに。
「ルパン、次のターゲットはきみだ!!」− Mビック
犯罪史上最大の英国郵便列車強盗の主犯、Mビック、ブラジルで静かに隠れていたらしいが、ルパンのハデハデの活躍にガマンならなくなったようです、ヨ!!
「銭形君、私の協力があればルパンなどモノの数ではない!」−モグレ警部
あのメグレ警部の親戚とか、プカプカとパイプをゆらし、身のこなしもいきなジャン・ギャバンばりにきまってイキリたっています、さてー

実際に起こった犯罪のパロディを名優たちの似顔絵で。
モンロー、ジャン・ギャバン、バーグマンなどのいまはなき名優たちが、そっくりの似顔絵でその声優の持ち役の声でルパンとからむ、ちょっとしゃれた洋画になりそうです。

犯罪をシリアスに実証主義で
やはり奇想天外な犯罪トリックが、手口が、ルパンの魅力の一つでもあります。もちろん、マネされてはこまりますが、犯罪の手口をもっともっとシリアスにサスペンスを込めて描きます。

銭形警部の捕物をよりコミカルにシブく。
この番組のテーマである、追っかけマン銭形を中心にした捕物をしっかりと描かなければならないでしょう。

(中略)

パート1、パート2はパート3のための予告編であった。この言葉をメインテーマにパート3をクリエイトするものです。

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