第九弾
幻の旧ルパン三世ソノシート
その貴重な音源を初のテキスト化!

ソノシート資料協力・テキスト化/eddy‐s氏

あの幻の旧ルパン三世ソノシート。
探索隊管理者のTyperも長年探し続けており、一番欲しいグッズだと語る至高の逸品。


旧ルパン放送当時に朝日ソノラマから発売された物で、新録音のオリジナルドラマが収録されている。
東宝から発売されていたLD「シークレットファイル1&2」の巻末で画像のみ簡単に紹介されているので、
存在をご存知の方も多い事だろう。

ベースとなるのは旧ルパン第二話「魔術師と呼ばれた男」だが、
ソノシート版は原作にもTVにもないオリジナルの展開を見せる。
脚色を担当したのは、「小説!ルパン三世」でも知られる、有名な脚本家の辻真先氏である。

その貴重なソノシートを所持しておられたeddy‐s氏が、この度探索隊に協力してくださいました。

eddy‐s氏の手による旧ルパン三世ソノシート、初のテキスト化。
氏による詳細な解説と、発売中の「ルパン三世'71ME TRACKS」に完全に対応した、使用BGMの紹介も。

ルパンファン・マニアの方々はCDをかけながら このページを読んで頂き、
貴重な旧ルパンソノシートの世界を少しでも味わって頂ければ幸いです。

尚、このソノシートにおいては、
「ルパン三世 その2」は、足もとに〜を、
「ルパン三世 その1」はルパンザサードの歌(ダバダバ〜)を指します。

解説(eddy‐s氏)
今回、ソノシートのセリフをうる覚えですが、全て書き上げましたのでお送り致します。
多少言葉の語尾が違っているかもしれませんが、99%はあっていると思います。
BGMも判る範囲で「’71MEトラックス」CDに収録されている物の番号を付記しておきましたので
もしCDを御持ちなら画像を見ながらCDを聴くと少しは雰囲気が出ると思います。

因みにこのソノシートでは、
まず最初に「ルパン三世その2」が流れ
最後に銭形が叫ぶのと少しダブって 「ルパン三世その1」が流れそれが不思議とあっています。

パイカルの声をアテられているのは村越伊四郎さんという方でテレビ版の江角英明と感 じは違いますが、
なかなかの雰囲気を出しています。

実にパイカル以外はオリジナルのテレビ版の方がアテられており、
しかも、BGMもオ リジナルの物 がソノシート用に録音されたと思われるアレンジでテレビ版と微妙に違い貴重な音源 です。
一部が「’71MEトラックスCD」に収録されています。

A面

   
「ルパン三世 その2」が流れる。流れ終わると同時に拳銃音が響く。

   「バキュ−ン」  

次元「当たりぃー!!」

ルパン「すっとんきょう頓狂な声だすな次元。ルパンが狙った的をはずすわけがねぇや。もう一丁!!」

   「バキュ−ン」  

次元「当たり…。」

ルパン「もう一丁!! あ〜ん?だっ誰だぁ〜あいつは?標的の前に立ちやがって。」  

次元「こらぁ〜。射撃練習しているの見えねぇのか。」   

男「見えてるよ。」

ルパン「コノヤロ〜。見えてんならどけ!!」  

次元「それとも体に穴ぼこ空けられたいのかよ。」   

男「空けられるかな?ルパン三世の細腕で。」

ルパン「あいつ、俺をルパンと知ってやがる。」  

次元「銭形警部の部下かもしれん。ルパン撃て!!」

   「バキュ−ン」  

次元「当たりぃー!!あれぇ〜。」   

男「穴ぼこは、空かない様だな。」

ルパン「わっ!こっ、こっちへ来る?!」

   「バキュ−ン」
   「バキュ−ン」
   「バキュ−ン」

ルパン 「ひ、引き金引く指に豆が出来たぁ。」   

男 「では、その豆を煮てやろう。」

  「ボワァーッ!!」

ルパン「うわぁっ、あっちち。」  

次元「あいつのせいで いっちょうらの服が火事だ!!」

ルパン「お、俺の目がどうかしたのかな?アイツ指の先から火噴出したぜ?」  

次元「お前もか?ルパン」

ルパン「するってぇとお前も?」


     「シャ−ッ」カーテンの開く音

ルパン「あーっ!!見ろ!!宙を歩いてる?!二階の窓へ入っていくぞ。いけねぇ不二子の部屋だ。」  

次元「さてはあん畜生、峰不二子を狙って来やがったな!」

不二子「あぁ〜ん。助けてぇ〜。」

ルパン「しまった!!」

滝の流れる音、パイカルのアジト   

不二子「いくら責められてもフィルムは渡せないわ、パイカルさん。」

パイカル「意外としぶといな、不二子。」  

不二子「誉めてくれてもデートはお断り。うふふ、渡さないはずよ。フィルムは預け てあるんですもの。」

パイカル「なに?!」  

不二子「ルパン三世によ。盗むのが天才なら、盗まれないように用心するのも天才、そう思ったの。」

パイカル「では、改めて奴に会おう。」  

不二子「あら、会えば安々と返してくれると思ってるの?」

パイカル「返すとも、黒焦げの死体になればな。」

ブリッジBGM 「'71MEトラックス #45. LUPIN THE BRIDGE-3」に収録あり

   A面終わり


B面初め

ブリッジBGM 「'71MEトラックス #30. AFRO"LUPIN'68"BRIDGE」に収録あり 


   「ボワァーッ!!」
 

次元「ル、ルパン。お前まで化け物になったのか?」

ルパン「馬鹿言え、やっと手品のタネが判ったのさ。液体燃料のボンベを背中に背負ってボンベの先から管を指の先に取り付ける簡単な仕掛けさ。」  

次元「へぇ〜。それじゃ奴が宙に浮くってのは?」

ルパン「それもわかった。あ〜らよっと。」  

次元「ひぃ〜。ルパンが宙を歩いてる。」

BGM '71MEトラックス #31. LUPIN THE DEXY」に収録あり

ルパン「慌てるなって。こいつの上を歩いてるだけだよ。」  

次元「何だ、硬質ガラスか。」

ルパン「タネがわかってしまえば何てことはない。それよりもこのフィルムには恐るべき秘密が…。」

    シュッ。タン!!ナイフが木に刺さる。  

次元「ナイフだ!!手紙が結び付けてある。」

ルパン「挑戦状、パイカルだな。」

   【明日朝6時、荒波岬で待つ。】

警視庁 銭形警部の部屋 電話が鳴る  

銭形「あ〜もしもし、わしが銭形警部だが。」   

男「じつはその〜。パイカルと言う人物につきまして…。」  

銭形「なに!!暗黒街の魔術師と呼ばれているあの男か」   

男「はい。明日朝6時、荒波岬に現れます。」  

銭形「本当か?!」   

男「本当ですとも、ルパンと決闘する為にね。」  

銭形「ルパンと決闘!!本当に本当か?!」

ルパン「しつこいね、あんたも。当人が言ってるんだから間違いないよ。」  

銭形「あ〜っ。貴様ルパン!!」

ブリッジBGM '71MEトラックス #08. LUPIN THE BRIDGE-1」に収録あり

荒波岬 AM6:00

パイカル「遅いな、ルパンは。」  


不二子「ルパンは時間に正確な男。きっと来るわよ。あっ、来たわ。」

パイカル「おーっ。ヘリコプターか。」  

不二子「ねぇ見て、なわばしごで下りてくるのがルパンよ。」  

ルパン「パイカル、お招きにより参上した。」

パイカル「片道切符の招待状に良く来てくれた。ところで、武器は何だ?」  

ルパン「これだ!!」

    「ボワァーッ!!」

パイカル「何の!!こちらも。」

    「ボワァーッ!!」  

不二子「まぁ〜。二人とも平気だわ。」  

ルパン「そのはずさ、フィルムに焼きこんであった化学方程式。」

パイカル「なに?!では貴様も!!」  

ルパン「その式により合成した液体を体中に塗りこんでるのさ。」

パイカル「ううっ」  

ルパン「だがこの効き目は長時間は持たない。俺、たった今塗ったとこだがお前はいつ塗った。たぶん隠れ家を出る時だろう。そろそろ効き目が切れてきたな。あいにくだがこの勝負ルパンが貰った!!」

パイカル「うっ。うわぁー!!」  

不二子「ルパ〜ン!!」  

ルパン「こっち捕まれ不二子。銭形警部!!パイカルは確かに渡したぜ。」   

銭形「ついでにルパン、貴様も年貢の納め時だ。」  

ルパン「お〜や、そうかい。」

プロペラ機の編隊の音   

銭形「わっはは。半年分の予算をつぎ込んで大量に借り集めたプロペラ機の大編隊。 ヘリコプターで逃げられるものなら逃げてみろ!!」

ルパン「では、お言葉に甘えて。次元スイッチだ。」   

次元「あいよ。」   

銭形「わっ、ヘリのプロペラが落っこちた!!」  

ルパン「ヘリコプターに見せかけて実はジェット機だ。竹とんぼの上の棒をくっつけてただけだ。あばよ、銭形さん。」   

銭形「うぅ〜ん、返せ!!戻せ!!ルパン三世!!」  

ルパン「うほほ〜ぃ」

ルパン三世 その1が被さって流れる

                       終わり

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