第拾一弾
TV旧ルパン三世
路線変更以前の全26話
シノップシス大公開
旧ルパン三世は、視聴率低迷の為に子供向きに軌道修正された。
ルパンファン、マニアなら当然に知っている事である。
が、
もしも演出が宮崎・高畑両氏に引き継がれず、
大隅氏のまま、予定通り製作されていたとしたら、どうなっていただろうか?
どんなエピソードが路線変更前に控えていたのだろうか??
その謎が、今ここでついに明かされます。
探索隊は、路線変更前に関係者に配布された、
旧ルパン三世全26話分のシノップシス(あらすじ)が記された書物を入手。
すべてのルパンファン・マニアの為に、この場で大公開いたします。
今までどのメディアでも公開される事のなかった、幻の全26話。存分にお楽しみ下さい。
※基本的に原文そのままに記載してありますが、「なつてしまう」→「なってしまう」等のように、読みやすく変更してあります。
※タイトルの後に、(かっこ)で予定されていた脚本家の苗字が書き足されているものがあり、それは忠実に再現してあります。
※一見、タイプミスと思われる部分がありますが、日本語的に明らかにオカシイ部分は修正し、それ以外は原文どおりに掲載しています。
※石川五ェ門の表記は今回2通りあり(五右衛門・五衛門)、それらは原文にあわせてあります。
※各エピソードごとに簡単な解説をつけさせて頂きました。原作のタイトルはパワァ版を使用。掲載単行本については、当サイトの原作ルパン三世データベース「単行本リスト」を参考にして下さい。
=13話分シノップシス=
第1話<ルパンは燃えているか?>
レーサー ルパン三世、さっそう登場!
ヒダ、スピードウェイに轟音がひびき渡る。チェッカーフラグが振られ、一斉にフオーミュラーカーがスタートを切った。
轟音をかきたてて疾走する1台のF1。
そのF1のなかに、レーシングスーツにヘルメット姿の、カッコイイ、A級ライセンスを持ったルパンの姿があった。
そのあとを追うように、別のレーシングカーには、警視庁敏腕刑事、銭形警部がのりこんでいた。
ルパン暗殺計画、スコピオン組織。
世界犯罪組織、スコピオンは、ライバル”ルパン帝国”の末裔である。、ルパン三世の暗殺を企み、
”ルパン帝国”崩壊をもくろんでいた。
このレースは、ルパンをおびき出すために仕組まれた、大がかりな陰謀であった。
危うし!峰不二子。
この計画を事前に傍受したルパンは、敢えてスコピオンの黒い罠の中へとびこんでいった。だが、スコピオンにスパイとして潜入していた峰不二子は囚われの身となってしまう。
ルパンの前に、次々と張り巡らされた罠。そして、スコピオンの一瞬、みずももらさぬルパンの監視、執拗に追う銭形。
果たして、ルパンは、スコピオンの暗殺計画に、まんまとかかってしまうのか。
峰不二子の命は、相棒次元大介は何処に・・・・・・
<解説>原作「DEAD HEAT」を基にした第一話は、実際の第1話「ルパンは燃えているか・・・・?!」とタイトルも内容もほぼ同じ。脚本は山崎忠昭氏が担当。
第2話<魔術師白乾児>
銃弾を弾き飛ばす不死身の男、白乾児!
何者かに狙われた峰不二子を救ったルパンと次元。二人は不二子の看病にハリキリ、忙しい。ところが突如、空中をとぶ、不気味な男が出現!その男<白乾児>と名乗った。
不二子を略奪に来たのだ。不二子を守るルパンと次元、二人の奮闘もむなしく、不二子は<白乾児>に連れ去られる。
なにしろこの男、弾丸をことごとく弾きとばし、驚くことにヤツの指先から真赤な炎が放射されるのだ。ルパンと次元を真黒こげにしてしまう。
さすがのアクションの天才ルパン三世も、こいつにはたじたじである。
魔術師<白乾児>の秘密を握るスライド!
白乾児に拉致された不二子は、非情な拷問を受ける。「言え!スライドの行方を」
不二子はルパンが持っているとうそぶく。
スライドの行方を知った白乾児はルパンを襲う。ルパンと白乾児の対決!
ルパンは白乾児を倒し、不二子を無事救出できるのだろうか!そして、白乾児の不死身の秘密を語るスライドとは何か!
<解説>同タイトルの原作を基にした第二話も、実際の2話「魔術師と呼ばれた男」とほとんど同じ。脚本は大和屋竺氏。
第3話<ナサケ御無用!>
記憶喪失女性の身許を調査するルパン。
ある日、某組織のボスに呼ばれたルパンはボスの家に半年前から住む記憶喪失症の若い女性の身許を洗ってくれと頼まれる。
次元と共に調査にのり出したルパンは、数人の殺し屋に襲われる。
意外のところから、記憶喪失の女の身許が割れる。某組織のボスは女の身許を知っていたのだ。
組織のボスの謎の死!
とって帰したルパンと次元は、組織のボスの突然の死を知る。このボスも半年前から、記憶喪失だったというのだ。
この死に何か裏があると確信しるルパン。案の定、このボスの身体中に三千万円の密輸ダイヤが隠されていた。
死体強奪作戦!
そのころ、組織のボスの死因に疑問を持った銭形が現れる。「この死体は警察で解剖する」と死体を護送車で運び出す。
ルパンは死体強奪作戦を展開する。死体を護送の途中で、ニセ護送車とすりかえ、ダイヤをうばう計画であった。
この計画は成功するかに見えたが・・・・・・
事件は意外な方向へ展開する。
<解説>同タイトルの原作(「死体品切れ」「ナサケ御無用」の前後編)を基にしており、実際も第6話「雨の午後はヤバイゼ」として映像化。脚本は松岡清治氏。
第4話<大時計は殺しの詩をうたう>(横に青文字の訂正で「三時に別れの鐘が鳴る」)
偽札作りの男爵出現!
ある男爵が偽札を流し始める。
ルパンと次元は男爵の輸送車を強奪する。
その偽札のチャチさにあきれた。ルパンと次元は、プロの仕事を見せてやろうと偽札作りにのりだす。
だが、偽札作りは、精巧な細工の出来る原版職人が必要だ。
偽札原版作りの天才セイコフ!
職人を見つけた、ルパンと次元。
その職人セイコフはコワルスキー渓谷の大岩壁の大時計の番人であった。
その大時計には水爆起爆装置が内蔵してあった。
その主人はコワルスキー夫人、この妖婆がくせもので、ルパンと次元はさんざんな目にあう。
危機一髪のところを峰不二子に助けられたルパンは、不二子もまたセイコフを狙っていることを知る。
そして、男爵の殺し屋フリンチが現れ、ルパンと次元を狙う。セイコフの技術をほしがっているのだ。
三つ巴の戦!
原版作りの天才セイコフをめぐって、ルパンと次元、ルパンを狙う男爵の殺し屋フリンチそして峰不二子、謎の妖婆・コワルスキー夫人、大時計の鐘の音が不気味な戦慄を漂わすのだった。
<解説>原作「私を愛したルパン」の前半部分のエッセンスを利用した、オリジナル作品。実際は第10話「ニセ札つくりを狙え!」として映像化。脚本は さわき・とおる氏。
第5話<さらば 愛した魔女!>(青文字で「さらば愛しき魔女よ」との修正アリ)
妖しき香りの魔女、リンダ!
ルパンはハイウェーを疾走していた。
突如現れた謎の女、風のように現れ去っていった。その後には、花の妖しき香りが漂っていた。
芳香の花園・南の孤島
核分裂理論学者、ハイライン博士は、母国イザベラ共和国から亡命中、ある南の島に拉致される。
世界征服を狙う<キラーイン・キラーズ>の組織だった。彼らは、ハイライン博士の研究中の<第三の太陽>と言われる<起爆性のガス>を狙い、世界征服を企てていた。
謎の女を追跡して、ルパンと次元は南の島にやって来る。そこは、妖しい芳香で充満した花園であった。
ルパンと次元は謎の女と再会する。謎の女とは、ハイライン博士の助手リンダであった。
<起爆性ガス>の人体実験中、リンダが中毒にかかる<起爆性ガス>の融合物質として妖しい芳香の花が必要であった。そして、リンダはその香り中毒症状にかかり、不思議な魔女に変身してしまったのだ。
<第三の太陽>である<起爆性ガス>をめぐって、南の孤島でくりひろげられる、ルパン、次元と<キラーズ・キラー>の組織との対決、ハイライン博士、魔女リンダ、そして峰不二子の姿も現れる。
<解説>原作「トブな悪党」をアレンジしてある。実際の第三話「さらば愛しき魔女」と同様に、原作「はなれ技」のエッセンスが含まれていたかは、このシノプシスでは定かではない。脚本は宮田雪氏。
第6話<五右衛門、登場>
闇を斬り裂く白刃ー
闇をとぶ殺人器を居合で斬り裂いて現れた男、その名は石川五右衛門!
秘宝の錬金術を盗みに来る奴を殺るために、五右衛門はルパンと次元を雇ったのだ。
ルパンと五右衛門が相対した時、運命は二人の間に血の匂いを呼ばずにはおかない。峰不二子を間にはさんで火花を散らした。
ルパンの火炎の術で二人は火に包まれる。焼けこげたルパンをかかえて次元は退却する。
だが哀れ、とり残された黒ごけの男、これこそルパンだったのだ。
ナゾの錬金術師 百々地!
ルパンは峰不二子を屋敷に忍びこませ、五右衛門の白刃の下をかいくぐりながらついに錬金術師、百々地を連れ出すのに成功した。
百々地は錬金術の秘密を書いた本をルパンに渡し、未練はないから研究室を爆破してくれと言う。
ルパンがスイッチを押したとたん、大爆発をおこしたのは、ルパンが手に持っていた本だった。
恐怖の暗殺組織、魔神!
執拗に錬金術の秘密を狙うルパンの前に立ちふさがったのは、暗殺組織、魔神一家だった。
その首領、魔山神平は五右衛門とは、友人なのだ。ついに、走る自動車の上で、ルパンと魔神は銃口を構えてにらみあった。
果たして、ルパンの運命は・・・・・・
そして、錬金術の秘密とは・・・・・・
<解説>原作「五右ェ門登場」「ブラック・ポイント」「ウハニ」を基にしてある。実際には第5話「十三代五ェ門登場」として映像化。この時点では百地の設定も名前も原作と同じものになっている。脚本は山崎忠昭氏。
第7話<殺と盗の・・・・・・ない日>
空手示刀流極意書分捕り作戦ー
或る部落の家に代々伝わる「空手示刀流極意書」を狙うルパン。
五衛門はその極意書を必死に守ろうとするが、ルパンは実力で五衛門のボスから奪い取ったのではない。
彼は、頭の回転をよくし、策略をもって極意書を奪った。
将に、武道家と策略の前に屈服する・・・・・・!ルパンの欲望は底が知れない。
またまた、ルパンは極意書を奪う為に、腕をためされる。
ところが、口ばかりは達者であるが、いざ武道の実力となると、スキだらけ。
ルパンは、またもや策略を用いて極意書を狙うが・・・・・・その結果はいかん!
ルパンに極意書をとられた五衛門の方は師匠に非情さに欠けると言われ、五衛門の弱点を握り、奪い返そうとするが・・・・・・。
そこはルパンの方は一枚上。
五衛門はルパンとの対決から悟ったのであろう、師から離れることを決意する。
そして、五衛門の行方は・・・・・・?
<解説>原作「殺しのない日」(アクション掲載時は同タイトル)を基にしている。実際には第7話「狼は狼を呼ぶ」として映像化。脚本は大和屋竺氏。
第8話<トリプルプレイ>
四人の大活躍。
ルパンの心意気にいかれた五衛門は、仲間に入る。ここに、ルパン、次元、五衛門、峰不二子のオール・スター・キャストの大活躍が展開される。
暗闇の奇襲!
ある日、この四人は、とある洋館へ奇襲をかける。そこには、香港の組織が最近入手したという、最新型コンピューターの設計図があるという。
奇襲は成功する。
だが、突如、峰不二子がルパンに銃口をむけたのだ。呆然とするルパン、五衛門の気転で危く命をたすけられるルパン。実はこの峰不二子、香港組織の変装だったのだ。
黒い魔の手・・・・・・
コンピューターの設計図を奪いとったルパンたち、だが、不気味な姿なき敵が、ルパンたちを悩ませはじめる。
敵の目をくらますために変装するのだが、香港組織の魔の手がのびる。
この組織は、設計図を奪うために、警察にたれこむ、銭形警部の活躍だ!
包囲される次元、峰不二子、五衛門。
ルパンのアジトを包囲した銭形警部と機動隊。
邸内に、ある警官が侵入してくる。その男、峰不二子と合図をすると、次元を捕らえ、設計図を奪い取ろうとするので、またまた五衛門の剣の技がひらめき、次元を救う。
その警官と峰は香港組織の者たちの変装だった。
銭形の包囲はじりじりとせまってくる。
華麗なる脱出!
その頃、ルパンは警官に変装し、邸内の仲間を救出するために一生懸命であった。
果たしてルパンは、次元、五衛門、峰不二子をいかにして救出するのだろうか?
<解説>原作「トリプルプレイ」「きわどいカラッポ」が基。実際の映像化は第8話「全員集合トランプ作戦」 脚本は宮田雪氏。
第9話<鬼>
姿なき敵!
ルパン、次元、五右衛門は東京埠頭にある倉庫を襲う計画をたてる。
ルパンは峰不二子を仲間に入れるべきだと力説。次元、五右衛門は真向から反対する。
会談は決裂!
その倉庫にはある組織の機密物質が保管されていた。
一人次元は女装し、倉庫を襲う。だが、姿なき敵に、コテンパンにやっつけられる。
怒り狂った五右衛門も来るのだが・・・・・・?
その頃、峰不二子は一人倉庫のボスに接近する。だが、囚われの身となってしまう。
峰不二子奪還作戦。
静まりかえった山奥の山荘に峰不二子は拉致されていた。
「ルパンは来る、かならず!裏切り続ける峰不二子を愛しているからな!」
ルパン、次元、五右衛門は山荘の麓まで来るがなかなか中へ踏み込めない。
組織の者たちは峰を囮に「ルパン帝国」の秘密をルパンから聞き出そうとしていた。
ルパンは愛した女のためにルパン組織の秘密を話すだろうか・・・・・・?
<解説>原作「鬼」「能ある悪党は牙をかくす(その2)」が基。実際に映像化された第9話「殺し屋はブルースを歌う」では、タイトルにある「鬼」のエッセンスがほとんど消えてしまっているのが面白い。脚本は さわき・とおる氏。
第10話<どじ>
ナゾの爆破事件ー
頻発する「橋」爆破事件。
この事件にある興味を持ったルパンと次元。深夜ひそかに川底から金属製のトランクを引き上げ、ふたたびトランクを川底に沈める。
入れ替わりに立ち現れたのは、意外にも峰不二子だった。トランクを川底から引き上げると持ち去る。
峰不二子を追跡するルパンと次元。
峰不二子を追ったルパンは、とある洋館へやって来る。だが、ルパンと次元は囚われの身となってしまう。
「橋」爆破事件は、ルパンをおびき出すために仕組まれた、大がかりな陰謀だった。
意外にも、そこには囚われの身となった峰不二子の姿があり、ルパンをおびき出すために利用されたにすぎないと峰不二子は言う。
「蔭のボス」とは・・・・・・
「蔭のボス」出現。
その部下にとりかこまれたルパン。次元、峰不二子は絶体絶命のピンチを迎える。
次元が、からみあって、事件は意外な方向へ展開する。
<解説>同名の原作が基になっている。実際に映像化された第11話「7番目の橋が落ちるとき」では、原作「賞金稼ぎ」のエッセンスが含まれていたが、この時点ではどうだったのだろうか・・・!?脚本は宮田雪氏。
第11話<どんでん返し>(宮田)
変装術 軍略の妙技はいかに・・・・・・!!
ルパン三世が潜む廃墟に多勢の警官が蟻の出るスキもなく取り囲んでいる。
ルパンを捕らえようとしているのは、警官隊だけではない。内閣諜報エージェンシーなる組織も廃墟に陣どっていた。
そこへ諜報員らしき若い男が現れる。
銭形警部と諜報員たちのやりとりを、爆薬を持ったルパンが狙う。
ところが、諜報員の巧妙な罠に陥ってしまうルパン・・・・・!
ルパンがかんたんに捕縛された?
だが、ルパンはそうたやすく捕らえられなかった。一件、捕えられたルパンは誰か?
ルパンの変装は次元の仕業だった!
銭形警部が変装を見破り、諜報員たちを調べにかかった。
ルパンは案の定、諜報員の中に・・・・・・
窮地に立たされるルパン!
ルパンの消息は!
警視庁内部では、銭形警部と係長がルパンに逃げられて、くやしがっている。
ルパンの変装があざやかにくりひろげられる一コマ。
銭形警部が廃墟に現れ、床板を開ける。
落とし穴だ・・・・・・!
落とし穴の中に見たものは・・・・・・?
<解説>同名の原作(「ドンデン返し」)が基。映像化はされなかった。脚本は宮田雪氏。
第12話<クールタッチ>(小山)
ボクころされる、だからオカネとどけてね、ママ・・・・・・アツシより。
今日も巷に夜がやって来て、小さな酒場の隅でルパンはチンピラにちょっかいを出して楽しんでいた。
ルパンの投げたカードが鋭利な刃物となってチンピラのノドブエめがけて風を切る。震えあがったチンピラは外に逃げ出し、兄貴分に助けを求めた。
男は似顔絵描きの若者を蹴とばして、酒場に入ってきた。ルパンは女とふざけてはいるが、すさまじい殺気を感じている。
「この男、たしかに見おぼえがある・・・・・・10年前、幼児誘拐犯人の、名前は「紅連」だ」と、似顔絵描きが回想する。
今じゃ紅連はルパンを狙う殺し屋。
ふと紅連が絵描きのいるバーに姿を現わしルパンに手紙を頼む。
似顔絵描きは手紙を渡す代わりに、紅連の似顔を描く、描く、描く。
紅連との約束に現われた者は・・・・・・?
位牌を持った絵描きと数人の男たちだった。彼らの背後には、何かが隠されていた・・・・・・!
<解説>同名の原作が基。原作とは違い、アツシが集団で復讐に臨んでいるのに注目。このエピソードこそ、双葉社アニメコレクション「ルパン三世PART-2」で大塚先生が語っていたボツ脚本であろうと推測できる。脚本は、実際の第19話「どっちが勝つか三代目!」を担当した小山俊一郎氏である。
第13話<大雪原の対決>(鶴見)
キリタップ番外地!
吹雪が吹きすさぶ北海道の原野、洞窟の中で火にあたるルパンの背に銃口が光る。
キリタップ刑務所を脱獄した二人の女囚だ。
女に食物と酒を与え、相も変らず女にアタックしているルパン。翌朝、銭形警部が洞窟にとびこんだ時、すでに3人の姿はなかった。
ニシン御殿の秘密!
今はさびれてしまったニシン御殿、その老主人の前で、ルパンは札束をつんでゆく。秘宝”姉妹像”を買い取ろうというのである。
実は二人の女囚は3年前<姉妹像>の一体を盗んでどこかに隠したのだ。それを知ったルパンが、わざと女を逃がして洞窟で待伏せしていたのだった。
吹雪の中で裸にさせて、ルパンは女に隠し場所を吐かせる。
北海道開拓民の血と汗。
翌朝、女囚は馬で逃げた、ルパンはすぐさま、スノーモビルで追いかける。その後姿をじっと見送る男、老主人の息子だ。息子は北海道開拓民の血と汗の結晶である秘密を売るなという。
ワナに気付いて戻ってきたルパンの顔に息子は札束を投げつける。しかしルパンは言う。「狙った獲物は必ず頂く。」
秘宝をとりにいった女囚を、再びルパンは追う。果たして秘宝は隠し場所にあるのだろうか。
そしてルパンは執拗な銭形警部の追撃の手が迫っていることを知っているのだろうか?
<解説>原作「シャモ狩り(白い追跡)」が基となっているが、実際の12話「誰が最後に笑ったか」と比べると、かなり原作に忠実なのがわかる。脚本は鶴見和一氏。
「14話〜26話シノップシス」 に続く…