PC88版
ルパン三世 カリオストロの城

DATA
NEC PC-8801 用/1985年発売/東宝・ムービック・銀英社/ロールプレイングゲーム

プログラマー:山田 康雄(!!!) 


パッケージ、マニュアル、特典のステッカー・ポートレート。これらは各機種(FM77、X1)共通のものになっている。
ステッカー・ポートレートとは、写真にあるシールをめくるとクラリス(幼少時代・セピア調写真立ての例のヤツ)のポストカードになるものだ。
ここでは画像を載せていないが、ヒントブックの申込書も同梱されていた。


データディスク。PC88版(5インチ)と、FM77版(3.5インチ)。
3.5インチディスクはシールだが、5インチディスクのディスケットには直接印刷されている。

私による解説…の前に、早速触れておかねばならないでしょう。
このゲームのプログラマーは、山田康雄さんなのです!!
あの、偉大なるお方と同一人物なのか否かは、わかりません。単なる同姓同名の可能性もありますが、
昔からの熱烈なルパンファンの先輩から「山田さんはパソコンとか、好きだった」という証言を得ているので、もしかしたら…?
ここで、マニュアルに書かれている山田康雄さんの文章を転記します。

はじめに
「カリオストロの城」という作品について今さら説明の必要はないと思いますが、
この映画にはカリオストロ城という、RPGの舞台として絶好の場所が存在しています。
原作では、ルパンがカリオストロ城の深部に潜入してから(具体的には、石像のある落とし穴の部分を通過してから)
峰不二子に出会うまでの部分が、まったく描かれていません。そこで、この部分を中心にゲーム化にあたり、
ルパンが北の塔でクラリスと再会することを最終目的にしてみました。
ゲーム自体は大きく分けて、城内の探索シーンと戦闘シーンに分かれていますが、
戦闘では、他のRPGのような殺りくはまったく利益を生じません。
また、ゲーム全体のタイムスケールが短いため、経験という要素をあまり重視せず、
情報の収集がキャラクターの当面の目的になるようになっています。
今までの他のRPGを行われた経験のある方には、目新しくうつるかもしれません。
ゲームの難易度は、中級程度に設定していますが、
初心者の方でもゲームの目的が把握できれば、十分にカリオストロの世界に没頭できると思います。
最後に、1人でも多くのルパンが誕生してくれることを期待しています!

プログラマー  山田 康雄


解説
ルパン三世初のパソコンゲームであり、当時、そこそこヒットして様々な機種に移植された作品である。
特徴は、映画そのままのシーンの画像を「特殊入力」とやらで再現しているという事で、発売当初はパソコン誌やアニメ誌で話題となった。
今では何でもないことだが、当時は本当にスゴかったのだ。本編にあったシーンの絵がフル画面で17枚ほど入っている。
ここではタイトル画面のみの掲載にとどめますが、けっこうドット粗いです。それでも、しつこいようですが当時はスゴかったんです。
ゲーム本編よりも、映画まんまのビジュアルが、この商品のウリでありました。

さて、肝心の?ゲームは、3DダンジョンタイプのRPG。ルパン三世のRPGというのは、前にも後にも、これだけだ。
メインとなる、城内探索画面。正面にあるのは、例の石像です。
プレイヤーはルパン、次元、五ェ門、銭形の4人から選択し、カリオストロ城内を散策して不二子に会うのが目標となるが、
夜の8時からスタートして、夜中の12時までにクリアしなければいけないという制限つきだ。(時間は、何か行動する度に少しずつ経過してゆく)
各キャラで、初期パラメータがかなり異なるので、ゲームの進め方はだいぶ変わっていくと思われる。
(探索隊では、ルパンでのみチャレンジ・クリアいたしました)
キャラクターごとに「体力」の初期値が異なるため、持てるアイテム数に限りが出てくる。開始時のアイテムの選抜も重要になってくるのだ。
あと、キャラクターの年齢もプレイヤーで設定できるようになっており、若ければ体力が、歳が上になれば知識が増える、という感じだ。
不二子に出会う為には、特定の場所に到達すればいいというだけではなく、「知識」「やる気」のパラメータが、ほぼ満タンになっていなくてはならない。
そのため、城内で出会う敵を生け捕りにして、経験値のかわりとなる「知識」「やる気」のパラメータを上げていくのだ。
プレイヤーキャラをルパンにすれば、体力・耐久力は少ないものの敏捷性・知識・やる気が高いので、比較的クリアがしやすいといえる。
戦闘画面は、こんな感じ。画面の敵は、カゲですな。
戦闘は、敵(ジョドーっぽい執事系・グスタフっぽい衛士系・カゲの三種類)と遭遇すると発生する。
各ターンごとに行動ポイントが設定してあり、その範囲内で照準の移動や攻撃を行うシステム。1回に複数の敵は出現しない。

無事、不二子に出会ってから出口に向かうとRPGは終了となり、(不二子に会わずに出口に行くとゲームオーバー)
今度は北の塔に渡るジャンプゲームに突入する。

これは、踏み切りのタイミングまではリアルタイムで展開し、ジャンプする位置を決めたら、
今度は風向き(ランダム)を考慮した上で飛ぶ角度を入力し、行く末を見守るというもの。
上の写真が見づらくなってしまったので、ルパンのみ、ここで拡大
マニュアルでは、「失敗してもゲームオーバーにはしませんから、息抜きと思って楽しんで下さい」とあるが、
今回プレイしたPC88版では、もののみごとにゲームオーバーになりました。
ちなみに、ゲームオーバーになると、クラリスの”宮崎泣き”ポーズが出てきます。

あと、ワイヤー付きロケットとジッポーライターを持っていると、写真のようにルパンが座り、ロケット打ち上げゲームになります。
これも、風向きを考えて角度を決定し、発射するもの。1回のみのチャレンジで、失敗したらジャンプゲームに移行する。
(探索隊では、ルパンでのみプレイ、クリアしただけなので、次元・五ェ門・銭形の場合のグラフィック等は未確認です)

無事にルパンが画面反対側(北の塔)に到達すればゲームクリアとなり、クラリスのグラフィックが3枚ほど出て終わりとなるのだが、
このゲームを購入し、クリアした人には、成功者順のナンバリングが入った「クラリス・メッセージカード」を交付するというシステムになっていた。
マニュアル最終ページが、その応募券となっており、エンディングの後に表示されるグラフィックを簡単にスケッチして送るというものだ。
残念ながら、そのメッセージカードがどういうものだったのかは不明。
ちなみに、その最終グラフィックは、カリ城OP最後の、FIATの後姿のシーンでした。


さて、ちょっと感想ですが、
もともとFCの女神転生とか好きだったので、ゲームとしてはそこそこ楽しめました。
昔のゲームだけあって絵はショボく、マップも落とし穴や見えない入り口とかあって少し意地悪でしたが、
まぁ、こんなものではないでしょうか。元々、ビジュアルシーンがウリのゲームだった訳ですし。
88版バビロンと並んで、やってみたいゲームだったので、プレイしていて大変趣き深かったです。

攻略
攻略については、
黒龍会の加納さんの運営されている、「おやぢのパソコンゲーム調査隊」さんでマップ攻略をされているので、そちらをご覧になるのがいいでしょう。
とてもよく研究されていて、わかりやすい攻略です。


Typerの追加攻略メモ

パラメータの変動条件
体力 … 上げる→炊事場でカップ麺を調理or食堂で食事 / 下がる→落とし穴に落ちて、ワイヤーで這い上がる
耐久力…上げる→医務室で治療or薬で回復 / 下がる→敵の攻撃を受ける
敏捷性…上げる→不明(不可能?) / 下がる→ジャンプする
知識  …上げる→ジョドーっぽい執事系の敵を生け捕る
やる気… 上げる→敵を生け捕る

戦闘
知識を上げることが出来る執事系キャラを探しまくり、どんどん生け捕る。逃げたら勿体無い。
とにかく、フロアは一通りウロウロして、空の部屋もなるべく全部まわっていれば執事系キャラを発見できる。
基本的に他の敵からは逃げるようにする。

ルパンを選択してプレイの場合…
ワルサーP38は、なんとなく持っていたいけれど、必要ないかも。
きつねうどんは、9個以上持っていても意味がないので、持っていくのは9個。
空いた重量は、他のアイテム(発光弾 等)にまわした方がいい。
序盤は、執事系の敵以外は逃げまくり(生け捕る時は素手)、2階で剣を拾ったら本格的に戦闘開始。
100円ライターは全く役に立たないので、持っていく必要はない。(ロケットの点火には、1階にあるジッポライターを拾って行う)

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