タイトー
「ルパン三世」

DATA
アーケードゲーム/1980年発売/タイトー/アクション

解説
TVゲーム業界・黎明期。
社会的現象・社会的問題にもなった爆発的ヒット作「スペースインベーダー」(タイトー)に次ぐヒット作を生み出すべく登場したのが、
キャラクターとのタイアップ作品としては初となる、この「ルパン三世」である。
いわば、元祖キャラクターゲーム(キャラゲー)だ。

おそらく、インベーダーゲームの年齢層とピッタリの人気TVキャラクターということで、起用されたのであろう。
しかし、当時の技術力で「ルパン三世」を再現するのは、難しかったようだ。
ヘリコプターからビルに降り立つあたりはそれっぽいが、
その後展開するゲーム画面・ゲーム内容から「ルパン三世」を感じ取るのは、ちとツラい。
ルパンのドット絵は三世というよりはアルセーヌな感じのスタイルをしており、
銭形や不二子も出てくるが、ハッキリ言って全然わからない。
もともとアルセーヌをイメージして作ったものを、無理矢理「三世」にしたのではないかと思ってしまう。
このゲーム用に描かれたルパンのイラストはシルクハットにマント姿になっており、ゲーム内容に合わせてあるところが、趣深い。
(既存の新ルパン三世イラストの衣裳を変更したにすぎないのですが…)

当時のメインは、
他のゲームと基盤を交換するだけのテーブル型筐体だったが、立ってプレイする、専用筐体まで作られていた。


   
ポスター等に使用されたイラスト                    インストラクションカード

ゲーム内容
左の写真にある縦の1画面が、ゲームの全体となる。
画面中央、左側にいる青い物体(笑)が、ルパンだ。

ルールは単純、敵(ガードマン・警察官・犬)を避けながら、
画面上部にあるドル袋を、全て画面下部に持ち帰れば面クリアとなる。
ゲーム性を増しているシステムとしては、
ドル袋は一度に二つまで取ることが出来るが、ルパンの移動速度が極端に遅くなってしまう。
一つ持って機敏に避けるか、二つ持って面クリアを急ぐか、プレイヤーに任されているのだ。

そしてこのゲームの特徴の一つとして、マジックボタンというものがる。
いわゆる「ワープ」ボタンで、緊急回避用として使用。
押した瞬間に、ルパンが画面内のどこかにランダムでワープする。
つまりは「もうダメだ!」と思ったら使用する訳だが、ワープ先がランダムなため、
もっと不利な場所にワープしてしまったりすることもあるし、
ワープした先をすぐに確認できなければ、
ルパンがどこにいるのか確認できる前にやられてしまう時もある。
このワープは、画面中央の「M.ENERGY」ポイントが0になるまで使用することができるが
マジックポイントの残りが、そのまま面クリア時のボーナス得点になるので、
スコア重視の当時のTVゲームにとって、諸刃の剣的なものであった。

面が進むと、敵が増えたり、敵の移動速度が増して難易度が高まっていくが、
画面の雰囲気等は、まったく変わらない。




演出について

ゲームをスタートさせると、夜景をバックにヘリが登場し、ルパンが降りてくるシーンが流れる。

面クリアすると、ルパンがバイク?で、不二子に会いにいき、ラブラブをハートマークが演出する。
面が進むと、右下の木のふもとに、子供が現れて、一人ずつ増えてくるのだ。
二人の子供という設定なのだろうか…!?

ミスをすると、捕まったルパンが警察に連れていかれるシーンが出てくる。

Typerの感想とか
ええと、懐かしいですね。
このゲームを初めて遊んだのは、もう25年以上昔になりますが、当時は普通に面白かったのを覚えています。
当時は1画面のゲームというのはごく普通で、全然「しょぼい」イメージはありませんでした。
むしろ、ゲーム開始時のヘリのシーンは、本当にカッコ良く見えたものです。

まぁ、当時としては十分に「水準」に達していたゲームだったと思います。
そして、ゲームの歴史からはずすことのできない名作であったことは、間違いないでしょう。

5、6年くらい前、20年ぶりくらいに、秋葉原のゲームセンターでタイトー「ルパン三世」をプレイしてみたのですが、
けっこう難しいですね。1面クリアがやっとだったような気が…(^^;
ゲームとしてどうこう、という感覚は全くなく、単純に「懐かしい」という印象だけが残りました。

少し話がハズれますが、
1990年にデータイーストから発売された「ロックンチェイス」というゲームボーイソフトがありまして、
ドットイーター系ゲーム(つまりはパックマン)なのですが、
主人公の丸っこいキャラがシルクハットをかぶっており、名前が「ルパン」なんです。
警官達を避けながら画面内をテクテク歩く姿に、タイトー「ルパン三世」を少し感じました。
機会があったら、こちらも遊んでみてはどうかと思います。



ゲーム画面は印刷物より撮影しましたが、鮮明なものが撮影出来次第、差し替えてUPする予定です。
ゲーム画面及び筐体写真・リイド社「帰ってきた名作ゲーム」より

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