新・ルパン三世
「木金金」

週刊漫画アクション昭和54年4月12日号収録

資料協力/池本 剛氏

解説
この作品は、未完のまま、続きが描かれずに終わっている。
単行本に収録されなかった原因は、ズバリ、その為であろう。
この作品は「新・ルパン三世」のNO.89としてアクションに掲載された。
エピソードの順番的には、「狂い悪人形」と「地獄志願」の間に入ることになる。
パワアコミックスでいうと、11巻あたりに収録になる筈だった事になる。

まさにMP先生の苦労が伝わってくる一作で、おそらく成り行きまかせに盛り上げていってしまったところ、
収拾がつかなくなってしまったのだろう。続きを考えるよりは、全く違う新しい作品を描く方が楽だと判断したのだ。
当時MP先生は同時期に多くの雑誌で連載をかかえており、週1でルパンを描いていくのは苦痛だったに違いない。

この作品の続きをMP先生に求めるのは、ファンとしてすべき事では無いだろう。
しかし、すべての原作ルパンを網羅するという当HPの方針に基づき、今回紹介させて頂いた。


ストーリー
山奥に建つ一軒の館に、その親子は住んでいた。
この館は大昔に大泥棒の隠れ家であり、当時盗んだ財宝が館のどこかに眠っているという。
その財宝を狙って、ルパン三世も動き出していたのだ。

その親子がルパンが財宝を狙っている旨の新聞記事を読み終える間もなく、ルパンが館に向かって来た!
そこで、父親がルパンを部屋まで誘い出し、息子が銃で仕留めるという作戦に出た。

ルパンは堂々と玄関に立ち、道に迷っているので一晩泊めて欲しいと父親に告げる。
父親が顔を出したところを狙って、ルパンは睡眠薬を注射して父親に化け、館に潜入する。
父親に化けたルパンは、息子にルパンは人違いだったと言い、その場をごまかす。
…そこへ、また別の人物が館にやってきた。…ネズミ一族だ。

今度は息子が玄関に向かう。と、ネズミは息子を毒針で倒し、息子に変装して屋敷の中に潜入する。
ネズミが持っていたトランクには、ネズミと同じ服を着た男が入っており、空のトランクを持って、その場を去る。
館の中から様子をうかがっている者に、ネズミが帰ったと思わせる為だ。

ネズミがおとなしく帰ったのを窓から覗く父親に化けたルパンは驚愕する。
そこへ、息子に化けたネズミが何事もなかったように入ってくる。

かくして、父親に化けたルパンと、息子に化けたネズミが、お互いニセ者と気付かずに
館中を財宝を求めて探しまわる事になったのだ。

ルパンが床下をのぞき込むと、そこには…!!!
なんと銭形警部が!!!これは一体!?

未完。

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