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TYPER的悪のり解釈
ここでは、TYPERなりの「悪のり変装曲」の解釈を述べさせて頂くコーナーです。
「なるほど…」という方、「これは違う！！こうだ！！」というご意見、ガンガン投稿して頂けると嬉しいです。
「悪のり」の謎を解くキーワードは、ズバリ「虫ケラ」だ！！
この作品には沢山の虫ケラが存在する。いや、この時代に、と言った方がいいのかもしれない。
カラス…皆さんの心の中には、カラスはどのように映っていますか？？
大抵の人々は、あまり良い印象は持たないでしょう。
現代に生きる我々の生活の中で、「虫ケラ」の存在を身近な動物で表すならば…
この作品中、カラスは「虫ケラ」の象徴として描かれている。そう解釈しています。
（カラス愛好家の方々、申し訳ありません！！）
アジアの多くの国々で貧困により ひたすら自己の生と闘っている人達。
その裏で 贅沢さの中、スリルをゲームに見立て暮らす虫ケラ共、
貴婦人達、マダム・ルイサ、そしてルパン三世！！
○マダムルイサの不二子の変装は
最初からと解釈するのが妥当なのか！？
ラストでルパンのアジトを訪れた不二子以外は、
すべてマダム・ルイサの変装だったと解釈していいと思われる。
マダム・ルイサはルパンに接触し、自らの計画を実行する為に不二子に変装したのだ。
ＥＸ マダム・ルイサの計画 ／ 目的･･･「ルパン三世の処刑」
流れ･･･峰不二子に変装し、貴婦人達を集めパーティを開く。「貴婦人号」を自動操縦により、わざとゲリラ基地に着陸。
（ルイサの城も存在するところから、そのゲリラもルイサの指揮下にある組織なのだろう）
貴婦人達の宝石＆身代金を奪い、かつルパンを「身代金がない」というのを口実に処刑する。
…筈だったが……
○何故カラスが襲ってきたのか！？
あのカラスの襲撃は、偶然ではない。
自分達を見下す虫ケラ共（この場合はマダムルイサ・貴婦人達）への復讐だ。
言い方を変えれば、鉄鎚なのだ。
ルパンは、銭形がいなかったらカラスに突つき殺され（食い殺され？）ていただろう。
その「ルパンを救う」という銭形の行動は、現代社会においての「知らずに・悪意などなく自然に”虫ケラ”と思ってしまっている者達」へのホンの一部にしか為されていない救済措置を表現しているのだと、そう私は解釈している。
が…
襲撃により銭形に「ルパン救出のチャンス」を与えたのだから、
ある意味カラスは仲間意識から（世の虫ケラ同士として）ルパンを救った、と解釈する事により今後の展開の解釈がしやすくなってくる。
どっちだ！ と言い切ってしまわず、柔軟に両方の意味が含まれていると思った方がいいだろう。
○何故、滝に五右ェ門が現れるのか！？
あれは、五右ェ門ではない。あれは「五右ェ門の姿をしたカラス」という説を提唱する。
五右ェ門は次元と共に、ルパンのアジトに居る。そしてルパンの居場所を突き止めたのであれば、
次元と共に救出に向かう筈だからだ。そ〜いう事以前に物理的に五右ェ門があの場所に存在は出来ない。
あれは、ルパンの身体に自由を与えたのは、五右ェ門の姿に見えたカラスなのだ。
○カラスを食べるルパン三世
カラスと対峙し、勝利してカラスを食べるルパン。かなりショッキングなシーンだ。
これは虫ケラ同士の対立と、生きる為の上下関係・食物連鎖とも似た自然の摂理を表しているのではないだろうか。
結果的に、ルパンはカラスに何度となく助けられる事になる。
○あの変装道具部屋の意味とは！？
あの部屋はマダム・ルイサだけではなく、現代に生きるすべての人々が自分の本当の姿を隠し装っているのだ、変装しているのだ、というような意味を表現しているのだと解釈しています。
謎とは関係ないですが、ちゃ〜んと不二子の変装道具が使用中になっている事もポイントですね♪
○ルパンが銭形（の変装）を選んだ理由は！？
現代社会においての「虫ケラ共」がテーマ（…って勝手に私は解釈してますが）のこの作品中、
国の（世界の）秩序を守る「警察官」の顔で虫ケラな自分を装い隠す…
そういった理由で銭形の変装を選んだ（というかそういった意図で清順監督が選んだ）
のではないかと解釈しています。
○この作品における変装防止箱の意味とは！？
どんな変装でも、本当の姿を映し出す変装防止箱。この話のラストを飾るには素晴らしい道具です。
原作通りの解釈をしてしまうと、この「悪のり変装曲」のテーマに触れる事が出来ません。注意かも。
今までの私の解釈を読んで頂けたなら、解るでしょう。
カラスの協力により、素顔をバラさずに済んだ、というのと
もう一つ、
ルパンはカラスと同じなのだ、ルパンの本当の姿はカラスと変りないのだ、
そういった事を（清順監督は）最後にハッキリ訴えたかったのではないかと、そう思います。
○ラスト、何故カラスとルパンの眼が光るのか！？？
貴婦人達の異様な光景、しかしその本質は自分自身となんら変りないという事、
そしてカラスに救われ、マダムルイサの言葉によって自分が「虫ケラ」という事に気付いたルパン。
ラストでカラスとルパンの目が光るのは、虫ケラ同士が呼応しあったのではないか？
そう私は解釈する。
カラスが飛び去った後、ルパンの目も元に戻る。
カラスの最後の警告（目を光らせ、呼応し合う）が終わり、
ルパンは自分を取り戻し、己自身の心との戦いが一旦終わったという事を意味しているのだ、と。
参考文献／ 100てんランドアニメコレクション「ルパン三世PART３」、月刊アニメージュ’８４年 ８〜１１月号
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